12月5日-岡山県知事・長野士郎の忌日
12月5日-今日は何の日?
今日は岡山県知事を6期も勤めた政治家・長野士郎の2006年の忌日です。
長野士郎は戦前の内務省に入り、戦後は地方自治法の改正に尽力しました。
地方自治法の解説書であり、自治体職員にとって手引書となる本の”逐条地方自治法“の執筆でも知られています。
このように地方自治法のエキスパートであることから”地方自治の神様“の異名を取る存在でした。
役人としては自治省(※現在の総務省)の事務方トップである自治事務次官にまで上り詰めました。
そして辞職後、岡山県知事選に出馬して当選しました。
神様か、それとも悪魔か?
前述の通り地方自治に精通した長野士郎は”地方自治の神様”として敬われていました。
しかし一方で樺島秀吉のルポ”「自治の神様」が残した膨大な負の遺産“(朝日新聞月刊誌『論座』1999年4月号掲載 )の中で、元国会議員の矢山有作さんの「あれは自治の神様なんかじゃない。悪魔だ」という評価が記されています。
長野士郎は知事として交通インフラや、様々な大型のプロジェクトを進めていました。
現在でも残るものとしては新岡山空港(岡南飛行場からの飛行場移転)、瀬戸大橋の誘致、県立高校の新設、苫田ダムなどがあります。
一方で倉敷チボリ公園(閉園)、吉備高原都市(整備途中で計画の凍結)といった、想定通りには進まなかったプロジェクトもあります。
地方自治に精通しているが故に、長野士郎は圧迫行政なども駆使しつつ反対派を抑え込む方法も心得ていました。
確かにその点をフィーチャーするのであれば、悪魔的な面もあったのかも知れません。
当時の事業が岡山県の発展に寄与したのは事実ですが、その反動として発行した県債により岡山県は大きな負債を抱えることになりました。
長野士郎の次に県知事になった石井正弘は岡山県がこのままでは財政再建団体に陥る可能性がある事を認め、財政再建に奔走することになりました。
岡山県に様々な施設を作り、発展させると同時に深刻な財政危機を引き起こした長野士郎は神様?それとも悪魔?…それはきっと評価する人によって異なるのでしょう。
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