死仮面と岡山
金田一耕助の死仮面は、発表から長らく文庫化される事が無かった作品です。
著者自身が余り好んでいなかった作品である事屋、連載の中盤辺りの1回分が失われていた事が原因だったようです。
横溝正史が改めて手直しをする計画もあったそうですが、残念ながらその前に逝去してしまいました。
そこで失われていた部分を他の方が書き足す形で発表されました。(※現在では横溝正史さんが書いた原稿で復刻された完全版が発表されています)
この作品の舞台の一つが岡山駅前です。
物語の大半は東京が舞台ですが、作品の最も重要な死仮面が作られたとされた場所が、岡山駅前の戦後当時に闇市が行われていた周辺です。
ここで彫刻家の野口慎吾は、街を彷徨っていた山口アケミという女性と出会い、愛し合い、そして彼女の死を見届けます。
岡山駅前の闇市
岡山駅前は戦後に西側周辺で闇市が開催されいました。
著者の横溝正史は疎開で岡山(倉敷市真備町)を訪れ、終戦後も少しの期間を岡山で過ごされているので、実際に訪れたことがあったのかもしれません。
冒頭の写真は現在の岡山駅前周辺の様子です。
闇市などで活気があった頃の面影は余り残されていません。
そこでやや時代は異なりますが1950年代初頭の岡山駅前商店街の写真をご紹介します。
このような雰囲気の時代だったのでしょうね。
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