TOPコラムコラム・岡山の事件簿>77.岡山県警察学校の傷害事件

サバイバルナイフを持った教官

岡山県警察学校の傷害事件

事件概要


 2019年6月、前年に岡山県警を依願退職した元巡査の男性が岡山県を相手に損害賠償を求める訴えを起こしました。
 その内容は驚くべきもので、世間を大いに騒がせました。

 2018年12月、男性は岡山県警察学校の初任課生として犯人確保の訓練を受けていました。実際の現場を想定して行われるロープレです。
 教官が演じる日本刀を振り回して暴れる犯人役の説得を行い、無事に刀を放棄させる事に成功。
 男性が訓練は終了したものと目を離した隙をつき、犯人役の教官が男性に突撃してきました。犯人が他に武器を隠し持っていたという想定による動きでした。ここまでなら油断を諫める行為として容認される内容でしょう。

 男性が痛みを感じてシャツを脱ぐと、なんと出血していました。
 教官は刃の部分をカバーのようなもので覆ってはいたものの、本物のサバイバルナイフで襲い掛かっていたのです。

 男性は4日の入院を要し、その後もPTSDに悩まされ2019年1月に依願退職しました。

その後…


 当該教官は現実に即した緊張感のある訓練を行うために本物のサバイバルナイフを持ち込んだとし、怪我をさせる気はなかったと話しました。
 男性が被害届を出すも、業務上過失傷害の罪で罰金50万円の略式命令という比較的軽微な罰金刑に留まりました。

 更に岡山県警はこの事を発表対象に当たらないとし、公表もしていませんでした。
 当該教官は名前を報じられることもなく、別の部署に異動して警察に在籍し続けています。

 前述の通り男性は岡山県を相手に損害賠償を求める訴えを起こしました。
 そして2020年1月に裁判所からの和解案を承諾し、岡山県が200万円を支払う事で和解が成立しました

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写真:イメージ


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