TOP>コラム>コラム・岡山の事件簿>37.パラコート連続毒殺事件
『パラコート連続毒殺事件と岡山』
パラコート連続毒殺事件
1985年、日本各地でパラコートによる連続毒殺事件が発生しました。
自動販売機の取り出し口や、本体の上や下といった場所に除草剤(主にパラコート)を混入させた飲み物を放置するという手口です。
当時の瓶は未開封の物と開封済みの物の見分けがつきにくい構造でした。
その事を利用して、毒物の入った飲み物を誰かが購入して取り出すのを忘れた商品だと思い込ませたのです。
そしてその飲料を飲んでしまう事件が全国で模倣犯や自演を含めると30件以上も発生。内13人が亡くなりました。
犯人は未だに捕まっておらず、発生した事例の内の何件が同一犯だったのかも判明していません。
事件と岡山の関係
この事件で確認されている中に岡山県での発生例はありませんが、実は最初の被害者となったのは岡山県民です。
1985年4月30日、岡山市のトラック運転手の男性が仕事で広島県福山市を移動している途中に自販機でオロナミンCを購入しました。
この時に自販機の上にオロナミンCが置かれており、男性はこれを取って飲んでしまいました。
その後、気分の悪さを感じて岡山県内のパーキングエリアまで走行したものの、そのまま意識を失って5月2日に死亡しました。
事件が続発し始めるのはそれから約半年後の9月以降の事です。
この事件を受けオロナミンCは開封・未開封の見分けがつきにくいスクリューキャップから、現在のマキシキャップ(リングタブで蓋を引き上げるタイプ)に変更しました。
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写真:スクリューキャップの瓶
写真提供:PhotoAC