『備前焼で作った手榴弾』
備前焼の硬さ
岡山県が産地の炻器、備前焼。
その特徴の一つに硬さがあります。
『投げても割れぬ、備前すり鉢』と言われる程で、その硬さは金属にも匹敵するとされています。
備前市の備前焼ミュージアムで行われた子供向けの企画展で、1mの高さから落としても底に傷が入る程度に留まったという実験が行われた事もあります。
戦時中にこの硬さが日本軍から注目され、変わった製品が作られた事があります。
それが備前焼製の手榴弾です。
備前焼製の手榴弾
冒頭の写真が実際に備前焼で作られた手榴弾です。
第二次世界大戦時の日本は一般家庭の鍋や、各地の像、寺院の鐘まで集めて兵器の材料に回すほどの金属不足に陥っていました。
そのような状況下で金属に変わる素材の探求も進められており、その中で高い強度を誇る備前焼が選ばれたのです。
岡山県内の窯元に発注され、実際に約4万個が製造されています。
製作を手掛けた作家の中には後に人間国宝になる金重陶陽、山本陶秀らも含まれています。
しかし実戦に投入されることは無く終戦を迎えたそうです。
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画像:『備前焼製・手榴弾』(写真撮影:岡山の街角から)
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