以前ご紹介した【HPの死語、懐かしい言葉を考える】に続き、2002年頃に使われていたHP関連の言葉を少しご紹介します。
2回目は少しマニアックに、サイトを作る人に関連した言葉を中心にいきます。
・マウスストーカー
JavaScriptによって、マウスカーソルの近くを画像がついてくるものです。
ちょっとしたエフェクトっぽいものはまだいいのですが、大きくて肝心のサイトを読むのに邪魔、なんかウザい…などなど、散々な評判でした。
とても簡単に設定できるわりに目立つので、作る側はついつい嬉しくてやってしまうのです。
マウスカーソル自体をオリジナルの画像や+などに変える方法も多くみられました。
・文字のエフェクト
昔のサイトのド定番、文字へのエフェクト。
一番多かったのは【Marquee】です。文字がサイトの端から端までスクロールしていくタイプです。
こういうやつ(対応してるブラウザだと文字がスクロールしています)
ホームページビルダーなどでも簡単に設定できますが、そもそもタグを直接入力してもmarqueeで囲むだけで非常に簡単なので、多くの初心者が感動しながら設置しました。
初期の頃にはNetscape対応のBLINKタグもありました。文字が点滅するエフェクトです。
私はネスケユーザーなので見たことが有りますが、目がチカチカして嫌いでした。
当時の流行で今でも生き残っているものだと、リンクの下線を非表示にするものがあります。
マウスオーバーで実線、破線などを表示するタイプのもので、これは若干設定が難しかったせいか、余り広くは利用されていませんでした。
・フレームサイト
これは一時期、隆盛を極めたサイトの形式です。
見た目は1ページが表示されているのですが、実はメニューのページとサイトのメインコンテンツのページが2つに分かれていています。
2つのページを表示する枠だけのフレームページ(※2つ以上も設定可)と、表示される2つのページという3ページで成り立っています。
ページをどんどんクリックしても、常にメニューは固定の場所に表示され続けるという便利機能でした。
しかし検索サイトからそのページに行き着くと、フレームではなくコンテンツのページのみが表示されるという不具合を起こしてしまう為にGoogleのようなロボット型検索エンジントの台頭の影で廃れました。
その為、フレームはHTML5で廃止になりました。(irfameは除く)
現在、フレームではありませんが同じような表示方法を採用しているサイトは少なくないので、フレームの技術自体はやはり素晴らしいものだったのではないかと思います。
・For IE
昔の個人サイトは対応ブラウザの表示をしている物が多くありました。
IE(INTERNET EXPLORER)、Netscape、Opera辺りが人気だった頃、これらのブラウザはタグなどの効果やサイトの表示において多少の違いがありました。
サイト作りにはWEB標準という基準のようなものがあります。
WINDOWSの標準ブラウザのIEは、IE6くらいまでWEB標準に余り沿っていませんでした。
しかしシェアは大きい為に、WEB標準よりもIEに合わせてサイトを作るケースが多かったのです。
そこで表示が乱れないのはIEですよという表記として、For IEと明記していました。
あと、書いてたらなんとなくカッコイイという憧れもあったのではないかと思います。その為のブラウザマークの画像は素材サイトの定番アイテムでした。
・100の質問、同盟、WEBリング
昔の個人サイトで多く見られたのは、他のサイトと無作為につながる為の方法です。
個々で作っているサイトには現在のSNSのように自動的に趣向のあった人を繋げる機能は無いので、繋がる為のサービスを設置していました。
100の質問は何かしらのテーマに沿った100の質問を作り、サイト運営者がそれに答えていくものです。
その質問への回答を読みたい人がやってきれくれる他、自己紹介にもなるので愛用されていました。質問数が多いので答える方も読む方も、後半にはダレてましたね。
同盟、WEBリングはもっと直接的なもので、同じようなテーマを扱うサイト同士を結びつけるリンク集のようなものです。
同盟は同士が作る登録制のリンク集です。ブログで言えばカテゴリー登録のようなものですね。
WEBリングは登録した同系統のサイト同士で無作為にジャンプするシステムになっていました。ただWEBリングも全盛期をすぎると、更新停止したサイトばかりに飛ばされたり、ジャンプ先のサイトが存在しなかったり、形骸化しているケースが少なくありませんでした。
・工事中
未完成のコンテンツを意味する工事中という表記も定番でした。
工事中のコンテンツはたいていそのまま放置されるというジンクスもありました。
多くの場合で、サイトを作っている内に「早く公開したい!」というウズウズに勝てなくなり、工事中だらけでとりあえずオープンしたものです。
しかしオープン後はそのモチベーションが維持できず、工事中は工事中のままになってしまうケースが多かったのです。
・右クリック禁止
これは現在でも設定しているサイトがありますね。
右クリックをするとダイアログが出て、右クリック禁止を宣告される機能です。
主に記事や画像の無断転載を回避する為に用いられる機能ですが、ご存じの方も多いと思いますがこれをクリアする方法はたくさんあります。
なので、一応の意思表示という意味程度しかありません。
しかし個人サイトの場合はちょっと趣旨が異なります。
右クリックをすると、何か面白いメッセージが表示されるという隠し要素のように使用されることが多かったのです。
個人のサイトで右クリックを使ってしたくなるような事も余りありませんしね。
しかし画像の保存など以外の目的で右クリックを使っても出るので、割りと嫌われている機能でした。
・エントランスページ
ENTERとだけ書かれたようなサイトの入り口になるindex.htmlの事です。
何故か無意味に入り口を作っておくサイトが多かったですね。
主な作り方としては、サイトの利用規約やネチケットを守れる人だけENTERで、守れない人は【EXIT】でYahooのトップページに飛ばされるというのが定番でした。
これ(EXIT)は何がきっかけで始まった習慣なのか判りませんが、とても多くのサイトで使用されていました。
その為、EXITと検索するとYahoo!が検索結果のトップに来るという、Google爆弾のような効果が発揮されていた時代が有りました。
ちなみに私のサイトにもエントランスページを置いていた時代があり、その頃は更新情報を掲載していました。
・隠しページ
個人サイトの定番だった隠しページ。
仲良くなった人にだけ公開したり、見つけられた人だけ入れたりするページです。
定番は文字色と背景色を同色にしたカモフラージュ、サイト内に幾つかある画像のひとつが実は入り口になっている…などの方法で隠されていました。
行き先はサイトに掲載されている内容よりも個人的な事だったり、R18のコンテンツだったり、色々とありました。
ソースを開いたらバレるので、招かれざる客が来る事も少なくありませんでした。
後にJavaScriptを利用したパスワード方式なども流行りました。
以上、ちょっと懐かしい言葉をピックアップしてみました。
私はまさに個人サイト全盛の時代にサイトを作り始めたので、上記で解説した事はよく覚えています。
当時は文字が動くとか、ちょっとしたギミックを仕込むとか…そういう事が物珍しかったのです。
なのでサイト来訪者を楽しませるというよりは、自分が楽しむために行っていたような気がします。
失われた機能もすくなくありませんが、本当に楽しい時代でした。